検証部分の修復

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「水辺の倉庫」の切り取った部分を修復します。

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つなぎ目両側の周囲を、表面より幅約1cm位に木工ボンドを塗ります。
木工ボンドは原液か1割ぐらいの水で薄めたものを使います、が写真は少し薄め過ぎました。
写真で見やすいようにアクリル絵の具で着色しています。

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2mm以上のスキマにはティッシュペーパーを幅3cm位に裂いたものをピンセットや爪楊枝の先などで詰め込みます。

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つなぎ目や詰め込みティッシュ(1)の上を、幅1cm位に木工ボンド原液を塗り(2)、砂をまきます(3)。
これを(4)、(5)、(6)と繰り返します。

特に速乾性木工ボンドでは乾きが早いのでいくつかの部分に分けて作業をした方が良いと思います。
ここまでを完全に乾かしますが約1日かかります。

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岩場の部分にグランドサンド(着色砂)を何種類かニュアンスをつけてまき、木工ボンド水溶液を流します。

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草地部分のつなぎ目には木工ボンド原液を塗りコースターフ(カラースポンジ粒)をのせ軽く押しつけて接着します。
ここまでの状態で約1日乾燥させます。

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コースターフをニュアンスを付けてまき上から水溶きボンドをかけます。
スポンジに含みきれず下に溜まったボンド水はティッシュペーパーで吸い取っておきましょう。
これでまた1日乾燥させます。

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ほとんどわかりませんが黄色線の部分がつなぎ目です。
このままでは新しい状態なので、パステル粉や粘土粉を筆でまぶしてウエザリングを施し調子を整えます。

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これで修復が完成です。

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今回使用した材料です。
上左、上中はコースターフ、上右は天然砂(着色なし)、下4種は自家製アースサンド(地面用色砂)です。.

発泡スチロール芯材の検証

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.How to build DIORAMAS が出版される約1年前に製作した「水辺の倉庫」が、リニューアルのため28年ぶりに手元に帰ってきました。
ベースの大きさおよび高さは W800mmxD350mmxH280mmです。
当時、ジオラマの地形ベースは石膏や粘土などを使用することが主流で、鉄道模型のレイアウトなどはかなり重量のあるものでした。
これをなんとか軽くできないものかと開発したのが、この発泡スチロールを芯材として表面を薄く木工ボンドと砂でシェル状に固めて覆う サンドシェル技法 (造語)です。
めったにない機会ですので、この技法の耐久性を検証してみることにしました。
上の写真の左側(A)の部分を切り取って内部をみてみます。

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カッターナイフで押したり引いたりしながら四角形に切断します。
このサンドシェル技法の特長は、軽量ということと 完成後の追加工が簡単にできるということです。 

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写真の(C)部分を拡大したものが下の拡大写真です。

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上のイラストで黄色の木工ボンドと茶色の砂でできた硬い層が サンドシェルです。
見た目の判断ですが非常に良い状態なので驚きました。最悪の想像では発泡スチロールがポロポロと劣化して崩れ、 サンドシェル が浮き上がって、造形物としての強度が保てないのではと思っていました
ところが発泡スチロールにはつやがあり新鮮な状態で(笑)、木工ボンドはカビなどの発生もみられず、適度な弾力性もあり強度も十分で安心しました
最初の写真の(B)部分のリニューアル後も載せておきます

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(a)レジン流し込みの水面は清掃後透明ツヤあり塗料塗布
(b)道路は下地サンドシェル、表面粘土粉ですがひび割れなどはありませんでした。
(c)地表面のターフは製作当初のままです。
(d)この部分は新しいターフをボンド水溶液で固定。ライケンも植え替えました。
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ジオラマ・情景模型とは?

ウィキペディアのジオラマ の項をご覧いただくと、その呼び名は ジオラマ、ディオラマ、ダイオラマ、情景模型、ジオラマの小作品をヴィネットと言う、などいろいろあるようです。
私などは最初に聞いた言葉がジオラマ・情景模型でしたので一番なじみのある言葉です。  したがってこのブログでの呼び名を ジオラマまたは情景模型とさせていただきます。
ではそのジオラマ・情景模型とはどのようなものなのでしょうか。

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How to build DIORAMAS by SHEPERD PAINE (ジオラマの作り方 ホビージャパン昭和56年-1981-10月号別冊)によれば

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「ジオラマの起源は、箱の中に作られた光景を、一方に開けられた小さな穴からのぞくものであった。・・・
しかし、現在では箱の中に入っていても いなくても、3次元の情景模型のことをジオラマと言っている。
これはジオラマの基本であり、単体あるいはいくつかのモデルが実体感のあるセットに置かれたものである。」とシェパードペイン 氏は述べています。
この後氏の話は [ストーリーを語りかける情景] と言うところに進んでゆくのですが、私の作るジオラマはあまり深く ストーリーを語ってはいません。(汗)
自分の大好きなミニチュアモデルを身近において楽しませてもらうのですから、より似合う舞台に飾ってあげたい。 そんな想いでジオラマを作っています。

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なおこの How to build DIORAMAS は新しく翻訳・補足された改訂版が出版されています。

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